はじめに
NVIDIAの最新GPU「GeForce RTX 5080」が正式にリリースされ、前世代モデルとの比較が熱い注目を集めています。本記事では、RTX 5090、RTX 4090、RTX 4080 Superとの性能差を徹底分析。価格対性能比、新機能「DLSS 4」の実用性、そして「真の次世代」と呼べる進化かどうかを検証します。
基本スペックと価格
- RTX 5080 Founders Edition
- 価格:1,000ドル(RTX 4080 Superと同価格)
- プロセス:4nm(前世代と同じ)
- メモリ:GDDR7 / 960GB/s(帯域幅30%向上)
- TDP:360W(RTX 4080 Super比+40W)
- コア数:RTX 4080 Superと近いが、クロック速度+200MHz
- 比較対象
- RTX 5090:2,000ドル級 / GDDR7 / 大規模コア設計
- RTX 4090:前世代フラグシップ / 24GB GDDR6X
- RTX 4080 Super:1,000ドル / GDDR6X
ゲーム性能ベンチマーク総括
4K解像度での平均性能差(RTX 5080基準)
GPU | 相対性能 | 消費電力 | 価格差 |
---|---|---|---|
RTX 5090 | +56% | +38% | 2倍 |
RTX 4090 | +20% | +21% | +60% |
RTX 4080 Super | +14%遅い | -6% | 同額 |
- 注目ポイント
- RTX 5080はRTX 4080 Superより平均14%高速だが、価格は同一。
- RTX 5090とは性能差が大きく(56%差)、「80クラス」と「90クラス」の溝が歴然。
- 前世代RTX 3080比では50%以上高速。Ampereユーザーには価値あるアップグレード。
技術革新:DLSS 4と「マルチフレーム生成」
新機能DLSS 4の核となる「4Xマルチフレーム生成」をテスト。
- Cyberpunk 2077(パストレーシング有効)
- ネイティブ4K:22.9fps → DLSS 4有効で186.6fps(約8倍向上)
- 課題:入力遅延が93.9msに悪化(DLSS 3比+26ms)。快適性と引き換えに操作性が犠牲に。
- Alan Wake 2(パストレーシング)
- RTX 5080:RTX 4090の77%性能で消費電力は62%。効率性は向上。
世代間比較:進化の速度は鈍化したか?
過去の「80クラス」GPUとの比較で歴史的傾向を分析:
世代 | 例 | 価格対性能比 |
---|---|---|
RTX 2080 → RTX 3080 | 2倍性能(同価格) | 革命的 |
RTX 3080 → RTX 4080 | +37%(価格+43%) | 鈍化 |
RTX 4080 → RTX 5080 | +14%(同価格) | 漸進的 |
- 結論:RTX 5080は「RTX 4080 Super Ti」と呼ぶべき小幅進化。過去の「GTX 980→1080」ほどの飛躍はなし。
総評:購入すべきか?
メリット
- 新機能DLSS 4で将来性あり
- RTX 4080 Superユーザーには不要だが、RTX 3080以前のユーザーには価値大。
デメリット
- RTX 5090との性能差が歴然。「最高峰」を求める層には物足りない。
- 価格は据え置きだが、2018年比で「80クラス」は300ドル高騰。
最終評価
⭐️⭐️⭐️☆(3.5/5)
「効率性と新機能で未来に投資できるGPU」だが、価格対性能比の劇的改善はなし。RTX 5090の余剰性能が不要な層に向く。
※詳細なベンチマークデータはEurogamer.netの完全レビュー(英語)で公開中。
※値段はFounders EditionのMSRPに基づき、為替変動やメーカー独自モデルのプレミアム価格に注意。