近年、中国のゲーム企業はモバイルゲーム市場で圧倒的な存在感を示してきました。しかし、PCやコンソールゲーム市場ではまだ欧米企業に後れを取っている印象が強く、「中国ゲーム」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは依然としてモバイルゲームです。しかし、この状況は変わりつつあります。
Steamでの中国ゲームの躍進
2025年1月14日から1月21日までのSteam週間収益ランキングでは、トップ10のうち6タイトルが中国企業によって開発または運営されるゲームで占められました。これは中国企業にとって史上最高の成績であり、以下のゲームがランクインしています:
- 第3位:『漫威争锋』(网易)
- 第5位:『流放之路2』(腾讯)
- 第6位:『三角洲行动』(腾讯)
- 第7位:『星际战甲』(腾讯)
- 第9位:『七日世界』(网易)
- 第10位:『永劫无间』(网易)
これらのゲームは、中国企業が海外スタジオを買収したり、グローバル市場向けに開発したもので、中国企業の技術力とグローバル戦略の成果を示しています。
米国、日本、韓国市場での反応
特に米国市場では、『漫威争鋒』が『CS2』を抜いて1位にランクインするなど、中国ゲームの存在感が顕著です。英国やドイツでも同様の傾向が見られます。一方、アジア市場では、日本の二次元ゲーム人気や韓国のMMORPG嗜好に合わせたゲームが上位に食い込んでいます。
中国ゲーム企業の課題と今後の展望
しかし、Steamのトップ10に中国ゲームが集中する一方で、11位以降では韓国企業のゲームが多くを占めています。これは、中国企業がまだ中堅層のゲーム開発において十分な存在感を示せていないことを示唆しています。
また、Steamユーザーは無料のガチャゲームに対して厳しい目を向ける傾向があり、中国ゲームがSteamで成功を収めることは容易ではありませんでした。しかし、今回のランキング結果は、中国企業がこの課題を乗り越えつつあることを示しています。
Steam Deckと中国ゲームの未来
Valveが推進するSteam DeckやSteamOSの普及も、中国ゲーム企業にとって新たな機会を提供しています。Steam Deckのポータブル性とSteamOSのオープン性は、中国企業が多様なプラットフォームでゲームを展開する上で有利に働く可能性があります。特に、RPGやアクションゲームなど、Steam Deckに適したジャンルでの展開が期待されます。
結論
中国のゲーム企業は、モバイルゲーム市場での成功を基盤に、PCやコンソール、さらにはSteam Deckのような新たなプラットフォームでも存在感を拡大しつつあります。技術力とグローバル戦略を駆使し、今後も世界市場で重要な役割を果たすことが期待されます。もはや「モバイルゲーム大国」というレッテルは過去のものとなり、中国ゲーム産業は多角的な展開で新たな時代を迎えようとしています。